糖尿病は血糖値が高いだけの病気ではありません。
むしろ、多少血糖値が高くても自覚症状はあまりないことが多いです。
糖尿病は、様々な病気を引き起こしたり(合併症)、様々な病気に影響を及ぼしたりすることが問題となっていきます。
糖尿病は血液中の血糖値が上昇する病気です。そのため、「血管病」であるとも言われています。
血管は全身いたるところに張り巡らされていますので、糖尿病を放置していると全身の血管に障害が及ぶ可能性があります。
糖尿病の合併症は、障害される血管の太さ別に分類されます。
細い血管が障害されておこる合併症
それぞれの頭文字をとって、「しめじ」と覚えてください。
糖尿病神経障害
(しんけい)
糖尿病網膜症
(め)
糖尿病腎症
(じんぞう)
動脈硬化症という言葉をご存じでしょうか。
本来、血管はゴムホースのように弾力性があるのですが、様々な要因で障害されることで、しなやかさがなくなってしまいます。
その結果、血管がつまったり破れたりしてしまうことで、血管が走っている臓器に障害が起きてしまいます。
心筋梗塞・狭心症
心臓を栄養している血管である冠動脈が障害されて起こる疾患です。
糖尿病のみならず、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙などが原因となることが知られています。血糖値以外のこともしっかりとケアしていく必要があります。
脳梗塞
脳の血管が障害されると起こります。
心筋梗塞と同様に糖尿病も危険因子の1つです。
末梢動脈疾患
(PAD)
足の裏に米つぶがついているだけでも違和感があります。しかし、前述した神経障害などにより、足の感覚が鈍くなってしまうと、足にケガや火傷をしても痛みを感じなくなってしまうことがあります。その結果、傷口から菌が入り、足が腐ってしまうということが起こりえます。実際に、年間約3000人もの方が、糖尿病による足病変で足を切断しています。
糖尿病があると歯周病になりやすいということがわかってきています。また、歯周病になると血糖値も上昇しやすくなると考えられています。口の中を清潔に保つことを心掛けてください。